[ DATA ] 周囲:37.5km 面積:10.8平方km 最大深度:約31m 水面標高:819m
磐梯山が、1888年(明治21)に大水蒸気爆発を起こし、発生した岩屑なだれが多くの川をせき止め、300を数える湖沼群をちりばめた。最大の桧原湖は、桧原川の渓谷沿いに長さ10㎞、湖岸線は37㎞もあり、日本一の火山性せき止め湖である。
1888(明治21)年の噴火で作られた300余りの湖沼の中で最大の湖は桧原湖である。その東側に3番目の面積をもつ小野川湖、そして2番目の面積をもつ秋元湖が続く。
桧原湖は、南北約18km、東西約1kmの細長い形の湖。小野川湖や秋元湖も同じく細長い形をもつのは、いずれも比較的大きな谷川がせき止められてできたため。桧原湖をはじめ多くの湖は一瞬にできあがったものではなく、下部の写真を見るとわかるように、最初は水たまりが多数発生し、それが徐々に水かさを増していったのである。南北に細長いこの湖は、最初は北側の絵原湖と南側の雄子沢湖(おしざわこ)の2つが誕生し、噴火の翌々年の春に雪解け水でーつにつながった。
桧原湖は集水域に集落や農耕地が少ないため、水質は汚染が少なく貧栄養の状態であり、プランクトンや底生動物は多くは棲んでいない。魚類はワカサギやウグイ・サクラマス・フナ類など17種が生息。この湖は沿岸部の傾斜が急で、しかも水質がきれいで貧栄養のため、水生植物はあまり生息していない。桧原湖は裏磐梯に分布する湖沼の最上流部にあり、ここに生息する動植物は排水路を通じて下流の多くの湖沼へ広がるので、裏磐梯の動植物を保護するためにも重要な役割をもつ湖。
桧原湖と磐梯山
長峰より磐梯山を望む 遠藤陸郎撮影(福島県立図書館蔵)