雄国沼は、以前は火山噴火に伴う陥没によって形成された陥没カルデラに水が溜まってできたカルデラ湖と考えられていた。しかし現在では、山体崩壊により生じた爆裂カルデラ内に新たに山体が形成され、そこにできた凹地に水が溜まって誕生した湖沼という説が有力である。
雄国沼の現在の広さは地形図を使い推定すると約43haである。周辺に広がる湿原の広さは吉岡(1959)の図からは湿原はおよそ100haの広がりが読みとれる。文献では「1957年湿原植物群落約180haが国指定天然記念物に指定された」とある。雄国沼一帯は国立公園となっているが多くは国有林で、厩岳山・古城ケ峰・雄国山のほかカルデラ内の東半分の中央部は私有地となっている。雄国沼を取り巻くカルデラ壁の内側でも樹木の伐採があり、湿原植物保護のためにはカルデラ壁内の森林の保護も重要と考えられる。