龍ヶ沢湧水は日本名水百選に認定されている「磐梯西山麓湧水群」を代表する湧水池である。猫魔火山の噴出物である溶岩流(葉山溶岩)の末端部にあり、地下水が溶岩の割れ目から湧き出ている。火山は過去の噴火による溶岩のいくつもの層で雨水を通過させ、このようなすばらしい湧水を造り出している。
巨石の間から湧き出る湧水は、旱魃(かんばつ)に際しても決して枯れることがないと言われ、弘法大師雨乞いの霊場として古くから知られていた。江戸時代には、藩命による大規模な雨乞いの儀式が何度も行われた記録が残っており、地元では戦後まで続いていた。
この湧水は、現在磐梯山慧日寺資料館の庭園に引水されており、自然水愛好家の名所となって、連日給水する人々でにぎわっている。