大鹿桜(おおしかざくら)  開花時期 5月上旬~中旬

大鹿桜

会津の五桜のひとつであるこの大鹿桜は菊咲きのサトザクラで、磐椅神社の本社手前の左側にある。開花の時は白色だが、暫時、鹿の色に変わることからこの名が付けられたといわれている。村上天皇の御代、947(天暦元)年、勅使が登山参拝した時に京都より移植されたという老古木だが、今も5月上旬になると満開となり、美しい姿が楽しめる。

会津の五桜

会津の春は桜とともにやってくる。有名な「会津の五桜」は一本の桜をいうのではなく、会津地方各地にある桜の名木の総称である。(石部桜・薄墨桜・虎の尾桜・糸桜・大鹿桜)
会津藩領内のことを記した「会津風土記」は藩祖、保科正之が寛文元年(1666)に撰したもので、すでにその中に石部桜、薄墨桜、虎の尾桜が記されている。
文化六年(1809)に編纂された「新編会津風土記」には、前記のほか糸桜もその由来と現状がしるされていて、会津がもっとも栄えていた時代から、愛され続けてきたことがうかがわれる。

石部桜  開花時期 4月中旬~下旬
芦名家の重臣、石部治部大輔の庭にあったという樹齢600年をこえる名木で、蕾は淡紅色、葉が萌え出ないうちに花が咲き、次第に白くなる。

薄墨桜  開花時期 4月中旬~下旬
会津の総鎮守、伊佐須美神社のご神木で、枝を四方に広げ、花は葉とともに開き八重に一重をまじえた浅紅色。離れて見ると淡墨をはいたように見える。

虎の尾桜  開花時期 4月中旬~下旬
会津高田町、法用寺の観音堂の前にあって気品に富むオオシマザクラの一種。花弁は五から十枚、淡紅色で花中から細い弁が出るので「虎の尾」の名がある。

糸桜  開花時期 4月中旬~下旬
天正のころ、船窪村の農民が宮城郡から移し植えられたといわれる。花は微紅で盛りには白色となる艶麗なエドヒガン系のシダレザクラ。