赤井谷地は、猪苗代湖の北西の端に位置し日橋川の流出点・銚子ノ口から西に1.5kmにあ
る高層湿原である。4万年から2万年前にかけて、猪苗代湖の水位が現在より20mほど高かった頃、この地は湖底であった。その後、猪苗代湖の水位が下がり、周辺が陸化されたあとも浅い沼地となり、さらに植物遺体によって泥炭層を3m堆積させながら湿地化し、泥炭ドームを発達させて高層湿原となった。最終氷期の約2万年前までに北方系の植物の南下に遺存した寒地性湿原植物群落として、1928年に国の天然記念物に指定されている。
当時の調査では、生育植物は65科199種が確認されており、樺太の植物目録との比較では、その70%が共通するとされている。