猪苗代湖に飛来する白鳥は、コハクチョウがほとんどで、オオハクチョウはまれに見ることができる。コハクチョウは、ロシア北極圏東部(コリマ川・インディル川河口)の浅瀬や水辺の土の上に枯草などで巣をつくり、5~6個産卵してつがいで子育てをするが、寒い季節になると積雪や凍結で食べ物をとることができなくなるため、幼鳥(少し灰色)とともに約4,000kmの距離を約1ヶ月間かけ、中継地を経由しながら猪苗代湖に渡ってくる。猪苗代湖に飛来する時には、幼鳥は長旅や天敵などから2~3羽に減る。大きな群れは家族と家族の集まりであり、猪苗代湖には毎年2,000~3,000羽が飛来する。そして翌年3月下旬頃には北帰行する。
白鳥の主食は水草であり、湖などで葉が枯れてしまった地下茎や根も食べている。積雪がない時期は水田に行き、落ち穂を食べている。睡眠は天敵を避けて、入り江や浮島のような場所を選んで休み、その姿勢は背眠状態と言い、背中の羽の中に寒さを防ぐために頭を入れている。