[ DATA ] 周囲:9.8km 面積:1.4平方km 最大深度:約22m 水面標高:794m
磐梯山の岩屑なだれが渓谷をせき止めた小野川湖は長さが4㎞、湖岸線は約10㎞。湖尻に無数の岩山を浮かべて絶景をなしている。
小野川湖は北東から南西方向に細長い形をした湖で、西吾妻山から流れる中ノ沢や小野川がせき止められてできた。噴火時の岩なだれ(※1)が湖の中央部まで及び、湖の西側には流れ山(※2)が水面から顔を出している。小野川集落は水没のため移転を余儀なくされた。湖の水位を下げた際には、湖底に沈んだ墓石が姿を現わす。
現在は、小野川をはじめ数本の河川と桧原湖からの排水が小野川湖に流入。流出河川は長瀬川のほかに、東となりの秋元湖への最短距離を隧道(ずいどう)で流下させた排水が水力発電に利用されている。
小野川湖の水は、北側に広がる西吾妻山からと桧原湖の水を集めているため、プランクトンや底生動物も比較的多く生息し、中栄養状態の湖である。生息魚類はワカサギやウグイ・サクラマス・フナ類など18種である。
細長い湖に沿って北側には、かつてデコ平から剣ヶ峯近くまで木材を運んだトロッコ軌道跡がコナラ林の中に残り、一部は探勝路になっている。
※1 岩なだれ・・・大規模かつ高速で起こる山体の崩壊現象。火砕流や泥流とは異なり、破壊された大小の岩が、マグマ物質を含まず、水もほとんど含まない状態で流れ下りる。岩なだれの堆積地域では、起伏のある丘陵(流れ山)が形成。岩層なだれとも言う。
※2 流れ山・・・火山の噴火や地震により発生する岩なだれの堆積地域にできる地形で、小高い丘を作る。それを流れ山と言う。